別名:緋寒桜(ヒカンザクラ)、台湾桜(タイワンザクラ)、ヒザクラ(緋桜)、元日桜(ガンジツザクラ)
寒緋桜(カンヒザクラ)は、サクラの原種のひとつで、台湾、中国南部に分布し、古くから沖縄や⿅児島県に⼊り
石垣島や久米島などには野生化しているサクラです。
花は釣り鐘状で、紅色~緋色で美しく、公園樹・街路樹などとして広く植栽されています。
沖縄でサクラといえば、本種を指します。
旧暦の正月にあたる頃に開花することから「元日桜」の別名があります。
ソメイヨシノが生育できない南西諸島ではサクラの開花の基準として使用されています。
開花期:1月~2月(南西諸島)/3月頃(関東)
サクラ(桜)の基本情報
サクラ(桜)は、北半球の温暖地域が原産とされる、バラ科サクラ属(スモモ属)の落葉広葉樹です。
日本では固有種を含む10種の野生種を基本として、変種を合わせると100種以上の自生種があります。
日本では古くからサクラの栽培が盛んで、これらから育成された園芸品種は200種以上もあります。
(分類によっては600種以上ともいわれます)
サクラの樹皮は灰褐色~紫褐色でツヤがあり、品種により低木で3~4mほど、高木で15~20mになるものまであります。
葉は、枝に互生し、楕円形で縁に鋸歯にがあります。秋になると紅葉します。
花は一般的に春に咲きますが、品種によっては十月桜や冬桜のように春に加えて秋~冬にかけての2度にわたって咲く品種もあります。
花色は白色や淡紅色~濃紅色のほか、ウコンやギョイコウのように淡黄色や黄緑色の花を咲かせる品種もあります。
花びらは、品種により「一重(花弁が5枚)」、「半八重(花弁が5~10枚)」、「八重(花弁が10枚以上)」と様々です。
また、花びらの一枚一枚が細長いものは「菊咲き」と呼ばれます。
花後、球形の果実をつける品種もありますが、噛むと苦味があり食用には向きません。
サクラの幹は、硬く湿気に強いため、家具の材料や楽器などに使用され、樹皮にツヤがあり美しいため、茶筒などの細工物や版木にも用いられます。
また、焼くと香りが良いため、燻製のスモークチップとしても大変人気があります。
サクラの花や葉は、「クマリン」という芳香成分を含み、塩漬けにすることで独特の良い香りを放ちます。
桜葉漬け(桜の葉の塩漬け)は、主にオオシマザクラの葉を用い、和菓子の材料として桜餅や、乾燥させてお茶とブレンドさせて飲用されます。
桜漬け(桜の花の塩漬け)は、主に八重桜の花を用い、お菓子のトッピングや、お祝いの席で桜湯などに使用されます。