和名：クロフサスグリ　英名：ブラックカーラント　仏名：カシス

小さな果実をつける落葉低木です。
カシスの名で知られ、日本では比較的寒地で栽培されています。
現在は青森県が国内で生産量の90％を占めています。
赤実のスグリよりも栄養価が高く、貴重とされています。

自家結実性あり。１本で実が付きます。

【環境】
耐寒性はありますが、耐暑性がやや弱いので、夏場は直射日光の当たらない
涼しい場所が適します。
乾燥地は避け、土壌水分の豊富な肥沃地が向きます。
暖地では低温不足で花芽が充実しないので結実が少なくなります。

【植え付け】
11月～翌年3月ころまでがよく、秋植えが適します。
乾燥する場所は避けて、半日陰、土壌水分の多目の場所に植えつけます。
植える間隔は約90センチ、根株が入る大きさに穴を掘り、堆肥、有機肥料を
土と混ぜて底に敷きこみ植え十分かん水します。

【管理】
苗木の管理は、苗木の発芽前に上部を切り込み、新梢を発芽させるようにします。
根元から伸びた新梢は、約20センチ伸びた頃に、勢いのある強いものを株あたり
3～4本残して根元から切り取ります。

成木の管理は、株から出た1年枝は、冬期に地上20～25センチで切り、
2年枝から出た1年枝は約45センチで切り、結実母枝にします。

2年以上の旧枝に多く結実しますが、古くなり結実が少なくなった枝は
根元から切り取ります。

根が浅く乾燥に弱いので、根元にワラ、ビニールフィルムなどで保護するとよいです。

【肥料】
植え付け時に堆肥を与えた後は、特に必要ありません。

【殖やし方】
株分けが一般的ですが、1年生枝を翌年3月中旬～4月中旬に挿し木も可能です。

【病害虫】
ウドンコ病、斑点病で、ベンレート・ボルドー液を使います。
アブラムシには、スミチオンを散布します。

カシスの果実は、生食のほか、お菓子、ジャム、ドライフルーツ、ジュースや果実酒（カシス酒）
などに加工して利用されます

果実は、ポリフェノール類、ビタミン類やミネラルなど豊富な栄養成分が含まれており、
特にカシスアントシアニンと呼ばれるカシス特有の成分を含有していることで注目されています。