クコ（枸杞）の基本情報

別名　ゴジベリー、ウルフベリー
クコ（枸杞）は、東アジア原産で日本や朝鮮半島、台湾、中国などに広く分布する、ナス科の落葉低木です。
クコの実は、中国では古くから漢方として利用され、楊貴妃も愛用していたといわれています。
栄養価が高く、欧米ではスーパーフードとして注目されています。

花は、7～9月頃に小さく美しい淡紫色の5弁花を咲かせます。
果実は長さ2～4ｃｍ位の卵形で秋に熟し、鮮やかな赤色になります。
気候には大変強く、暖かい地方では冬でも新芽が出るため、葉の採取ができます。

クコの苗 4号ポット（撮影日：4/2、樹高：約40ｃｍ）

クコの苗（撮影日：10/1）

【植え付け】
栽培は容易で、樹勢が強く、環境や条件が良いと良く繁茂します。
植え付け穴には、特別に元肥も不要で、細かい枝などを取って植えます。
植え付け後、2～3年は実付きが悪いですが、実が付き始めると年ごとに多く付くようになります。
実付きの良否は、固体差が大きく、植える場合には、実付きの良い株を選んで植えます。

【剪定】
適期は2月頃です。
秋に花芽がついているので強い剪定は避け、細い枝、徒長枝を剪定して、
通風、各枝に日が当たるような剪定を行います。

【肥料】
特別必要はありません。窒素過多は茎葉は繁茂しますが、実付きは悪くなります。
年に1度堆肥、腐葉土などの有機肥料を混ぜる程度でよいです。

【病害虫】
5月下旬以降にウドンコ病がよく発生するので、5月中旬頃からカラセン水和剤を
2週間おきに3～4回散布します。
アブラムシ、テントウムシダマシ、その他に葉を食害する虫が発生するので、
マラソン乳剤、ディプテレックス乳剤を散布して駆除します。

【殖やし方】
3月下旬頃に、太めの枝を約15センチに切り、挿し木で殖やします。
若木の挿し木は、葉を摘み取って挿し木をします。
また、株分け、採り木で殖やします。

【仕立て方】
庭木として棚仕立て、アーチ仕立て、株仕立て、大株の根部で盆栽仕立ても面白いです。

地植え、鉢植えで栽培可能です。

クコの柔らかい若葉は、天ぷらやおひたし、ご飯に炊き込んでクコ飯などに利用されます。
また、葉や細い茎は、細かく刻んで陰干しで乾燥してクコ茶として飲用されます。
果実は乾燥させてドライフルーツにしたものを、料理やお菓子、クコ酒（果実酒）として
利用されます。

クコにはビタミンB1、B2、Cのほかにルチン、カロチン、ベタイン、β-シトステロールなどが
豊富に含まれています。