白加賀（しろかが）は、江戸時代から関東地方中心に栽培されていた品種です。
花は白の一重の大輪花で、観賞価値があります。
果実は大粒で皮が厚く果肉がしっかりしていて、梅酒・梅干しどちらにも向きます。
果重25～30g、収穫期6月上旬～
花粉が少ないので受粉樹が必要です。

 ウメ（梅）の基本情報

ウメは、中国原産で古く日本に渡来した落葉高木です。
日本全土の果樹や人家の庭、畑などで広く栽培されます。
観賞価値が高い花を咲かせる「花ウメ」と、実を食用する「実ウメ」に分けられます。

ウメの花は葉に先立って1～2月頃開き、花蕾（からい）が前年の葉の脇に1～3個つきます。
開花期間は暖地では長く、寒い北部では短い間です。
果実の収穫を目的とする梅は、単弁、白色～淡紅色が多く、果実は5月末～7月に熟します。
果実は、心皮（しんぴ）の1枚が成長してできるもので心皮の合わせ目がくい違うため、溝ができます。
果実は核と密着、核は内果皮で木化した厚膜細胞からなっています。
自家不和合性が強く、同一品種ではあまり結実しないので混植するといいようです。

花ウメは花のほかに香りや、樹木全体（幹の形や枝ぶり）が観賞対象です。
寿命の長い樹木なので、年月をかけて樹形をつくる楽しみがあります。

実ウメは、熟す直前の青ウメを梅干しや梅酒、梅肉エキスの材料とします。
また、未熟な青梅をわらを燃やした煙で薫製にしたものを、生薬で「鳥梅（うばい）」といいます。

【環境】
寒地、暖地に強く、一般的には日本全土で栽培可能ですが、アンズより比較的暖地に適します。
南高梅などの中梅は栽培しやすくよく結実するので栽培適地は広いです。

【植え付け】
晩秋～早春まで可能ですが、年内に行うのがよいです。
土壌は特に選びませんが、モモより乾燥に弱いので冠水は十分に行います。

【肥料】
庭植えは、11～12月ごろ有機質肥料を与えます。
6月に有機質肥料か速効性化成肥料を元肥として施します

鉢植えは、2月、5～6月、9月に有機質肥料か緩効性化成肥料を施します。

【剪定】
苗木のうちから、開心自然形になるように樹形を整えて剪定します。
台芽、苗木から出る新悄は勢いの良い枝を選んで、主枝を決めて他の枝は剪定します。
風当たりが強い場所では防風垣で、新悄を保護します。

ウメの結実習性は、アンズ、スモモと同様に、2～3年生枝につく短果枝に開花結実します。
短果枝が多くつくように、間引き、切りかえしの剪定をしていきます。
樹冠内に陽が当たるようにして、冬季だけでなく夏季剪定も行います。

【病害虫】
カイヨウ病には防風林や垣根を作って予防、黒星病には水和硫黄剤を散布します。
アブラムシやウメケムシには低毒性有機リン剤を散布します。
コナカイガラムシには冬季に機械油乳剤を散布します。

【殖やし方】
早春の切りつぎ、秋の芽つぎで殖やします。

【収穫】
果実を軽くひっぱると取れる程度に熟したら収穫します。
梅酒には青ウメ、梅干しには黄みかかったもの～熟したものまでを収穫します。

【ポイント】
ウメは自家不和合性が強く、同一品種ではあまり結実しないので花粉の多い品種と混植してください。
1本で結実すると言われている品種でも、受粉樹を近くに植えることをお勧めします。

庭木や、鉢植え、品種によっては盆栽にも向きます。
花は美しく観賞価値があり、切り花にも用いられます。

ウメの果実は、梅干、梅シロップ、梅酒、ジャムなどに加工して利用されます。