【環境】
比較的暖地で関東以南の地域が適しています。
東北地方でも防寒対策をすれば栽培可能です。
新潟市では栽培ができ果実も採れます。
【植え付け】
植え付けは時期は、3月下旬~6月の梅雨期までが理想です。
キンカンは生育が遅いので苗が幼木の場合には鉢などに植えて
数年育ててから定植することが望ましいです。
植え穴は、約80センチ四方、深さ約60センチに掘り、堆肥、木灰、腐葉土を
土と混ぜて植えつけます。
約20センチ高植えして、十分冠水して、再根が切られた場合には
葉を摘み取り根と葉のバランスをとります。
苗木には、支柱を立てて固定して、冬季にはコモや寒冷紗をかけて防寒します。
苗木は生育が特に遅いので枝は切らずに育て、アブラムシ、アゲハチョウの
幼虫などの被害には十分注意して早めに駆除します。
果実をつけて越冬する場合、冬季に気温の下がる地方では防寒対策をします。
【肥料】
3月上旬の春肥、6月上旬の夏肥、9月上旬の初秋肥、10月下旬の晩秋肥の
年4回、成木1本に窒素約300グラム、リン酸約200グラム、カリ約250グラムを
1年間の目安で施肥します。
また2月頃、根の活動が盛んで無い季節に、樹冠下に穴を掘り、
堆肥、腐葉土を入れ土壌管理します。
【剪定】
木の生育は遅く幼木は剪定をひかえて、アゲハの幼虫、アブラムシ、
ハモグリガの害虫駆除をします。
普通放任しても良いですが、3本主枝で剪定して、各主枝には3~4本の
副主枝をつけるようにします。
また、剪定は2月下旬~3月上旬、密生した枝を間引いて
光が樹間内に入るように剪定します。
【病害虫】
アブラムシ、アゲハチョウの幼虫、ハモグリガは見つけたら駆除します。
ツノロウムシなどは捕殺、カルホス乳剤1000倍液を7月中~下旬に散布します。
ミカンハダミは、年3~4回、異なったダニ剤を散布して免疫のあるダニを
残さないようにします。
【殖やし方】
カラタチの実生苗の2~3年生台木に、9月上旬に芽つぎ、
4月下旬に接木します。
接木した継ぎ目には、つぎ木用のビニールテープをしっかりと巻きつけ
雨水が入らないようにします。
ナガキンカン以外は、多胚性なので、種子から実生でも簡単に
殖やすことがてきます。
【収穫】
きんかんの果実が熟して着色したら随時収穫します。
表面の傷の無いきれいな果実を収穫するためにはお互いの果実を
傷つけないように、果梗を短く切ります。