【環境】
耐寒性が強いですが、暑熱にはやや弱く、栽培には温帯地方が適します。
土壌は、深根性で排水が良い土地を好み、水田などの湿気の多い場所では
生育が悪くなります。
【植え付け】
時期は、3月下旬~4月上旬が良いです。秋植えは幼木に寒気が悪いので避けます。
細根を傷つけないように、また乾かないように注意します。
植え穴は、堆肥、腐葉土を土と混ぜて植えつけ、盛り土で植える方が良いです。
苗木には、支柱を立てて固定して、冬季にはコモや寒冷紗をかけて防寒します。
【肥料】
施肥は、3月上旬の春肥、6月上旬の夏肥、収穫前の11月中旬の秋肥の年3回、
成木1本に窒素約500グラム、リン酸約300グラム、カリ約400グラムが1年間の目安で
春に多めに入れます。
また、2月頃、根の活動が盛んで無い季節に、樹冠下に穴を掘り、堆肥や腐葉土を入れます。
ハナユ(花柚)の施肥は、ユズより少なめにします。
【剪定】
ユズの結果習性は、当年伸びた枝に花芽をつけて結実します。
収穫しやすいように、大きな枝や込み合う枝を間引いて、樹冠内に陽が当たるように
剪定します。
【殖やし方】
カラタチの実生苗の2~3年生台木に、9月上旬に芽つぎ、4月下旬に接木するか、
実生で殖やします。実生から開花結実するには数年かかります。
【収穫】
12月中旬~下旬頃に、鮮やかな黄色に熟すので収穫しますが、過熟にならないように
早めの収穫が良いです。
ハナユは、12月頃になると熟しはじめるので、暖地では収穫するが、
冬寒く果実が樹上で越冬できない地方では、12月中旬頃には収穫する。
【病害虫】
ユズ、ハナユともに、カイヨウ病、ヤノネカイガラムシに抵抗性があり、
病害虫の防除は比較的容易です。
外観の美しい果実を栽培するには、ダニと黒点病を駆除します。
ミカンハダニは、薬剤による抵抗性がつかないように年3~4回、
異なったダニ剤を散布します。
果面に黒い斑点が出る黒点病は、枯れ枝を焼却、多発する場合には、
6月中旬と8月中旬~下旬に、ジマンダイセン水和剤800倍液を散布します。
【その他】
特に寒い地方では、冬季間はコモや寒冷紗をかけて防寒します。
ハナユ(花柚)は、摘果をしないと隔年結果になるので、7月中旬~8月に
傷果や病中果から摘果します。