【環境】
日当たりと水はけの良い場所を好みます。
日陰では枝が徒長し、花がつきにくくなるので植え付ける場所には気を付けてください。
また、モモの仲間は同じ場所に再度植えつけると忌地を起こすので注意します。
【植え付け】
適期は11月~12月、落葉後の降雪前に植えつけます。
または2月~3月、新根の発生が早いので、早めに植えつけます。
暖地では晩秋、寒冷地では春先に行なうとよいです。
苗木は、地上約80cmほどで剪定して、新悄は勢いのあるものを伸ばすようにします。
風で折れないように支柱をするとよいです。
■地植えの場合
植え付けの2週間前までには、腐葉土や堆肥をすき込んでおきます。
植え付けの際には根を傷めないように丁寧に行います。
■鉢植えの場合
生育が早いため、10号鉢ほどの程度の大きさの鉢を用意します。
赤玉土(小粒)に腐葉土を混ぜた用土か、市販の果樹用培養土を使用します。
生育が早く根詰まりしやすいので、2~3年に1回は植え替えが必要です。
【水やり】
■地植えの場合
基本的には天候に任せます。植え付け後の活着するまでの間と、夏場に極端に乾燥する場合は水やりをします。
■鉢植えの場合
土の表面が乾いたらたっぷりと与えます。
【肥料】
2月~3月に寒肥として油かすと腐葉土や堆肥を株から少し離した場所に穴を掘り埋めます。
苗木のうちは、花芽ができた後の9月頃に同様の肥料を与えます。
【作業】
●授粉
モモの品種により、花粉を多くつけるものと少ないものがあります。
花粉の少ない品種は、1本では実がつかないため、花粉の多い品種を一緒に植えるようにします。
確実に授粉させるには、人工授粉を行います。
●摘果
摘果することによって、数を厳選して充実した果実を収穫できるようにします。
葉の枚数(15~20枚)に対して果実1個を目安とします。
鉢植えの場合は、欲張って株を弱らせないよう注意します。
●袋がけ
病害虫から実を守るために、摘果で残した実に果実袋をかけます。
袋ははずれないように、しっかりと枝に結びつけます。
●収穫
収穫の適期は品種によって異なります。
実が色づいてきたら袋を外し、1週間ほど日光に当てます。
緑色の部分がなくなり、耳たぶほどの柔らかさになったら収穫のタイミングです
果実が自然に落ちるくらいに熟した時が最も甘いため、その直前で収穫するとよいです。
【剪定】
休眠期の12月中旬〜2月下旬に行います。
樹形がY字になるように、日当たりや風通しを考えて仕立てるようにします。
モモは、古い株からは新芽が出にくく、若い枝に新芽が発生します。
強剪定は行わず、間引きを主に1~2年目の枝を残すようにします。
【病害虫】
代表的な病気は、縮葉病と灰星病です。
縮葉病は、発芽前に薬剤を散布することで予防できます。
灰星病は、果実に袋がけする事で病気の進入を防ぎます。
害虫では、アブラムシ類、カイガラムシ類、モモハモグリガ、シンクイムシなどに注意します。
【ポイント】
モモは基本的には1本で結実しますが、2本以上あったほうが実付きは良くなります。
花粉の多い品種(白鳳、大久保など)を混植するとよいでしょう。
ハナモモ(花桃)の花粉も授粉樹として使用できるため、近くにハナモモがある場合は授粉樹を植える必要はありません。